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論文

福島第一原発港湾から流出した放射性ストロンチウム$$^{90}$$Sr($$^{89}$$Sr)量の経時変化の推定; 原発事故から2022年3月までの流出量変化の分析と福島沿岸および沖合への環境影響評価

町田 昌彦; 岩田 亜矢子; 山田 進; 乙坂 重嘉*; 小林 卓也; 船坂 英之*; 森田 貴己*

日本原子力学会和文論文誌(インターネット), 22(4), p.119 - 139, 2023/11

本論文では、2013年6月から2022年3月までの福島第一原子力発電所(1F)港湾からの$$^{90}$$Srの月間流出量を、港湾内の$$^{90}$$Srのモニタリング結果からボロノイ分割法を使用して推定した。その結果、2015年の海側遮水壁閉合が、流出量の削減に最も効果的であったことがわかった。また、福島沿岸および沖合のバックグラウンドレベルから放射能濃度の上昇を観察するために必要な月間流出量を推定し、事故後の流出量の変遷と沿岸および沖合での放射能濃度の変化について議論した。これらの結果は、1Fに蓄積された処理水の今後の放流計画に対する環境影響を考慮する上で重要と考えられる。

論文

Rapid analytical method of $$^{90}$$Sr in urine sample; Rapid separation of Sr by phosphate co-precipitation and extraction chromatography, followed by determination by triple quadrupole inductively coupled plasma mass spectrometry (ICP-MS/MS)

富田 純平; 竹内 絵里奈

Applied Radiation and Isotopes, 150, p.103 - 109, 2019/08

 被引用回数:14 パーセンタイル:82.61(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

緊急時における作業者の内部被ばくを評価するために、尿中$$^{90}$$Sr迅速分析法を開発した。尿試料中のSrはリン酸塩共沈及びプレフィルター, TRUレジン及びSrレジンのタンデムカラムを用いた抽出クロマトグラフィーにより迅速に分離され、$$^{90}$$Sr濃度はトリプル四重極誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS/MS)により定量された。1mL min$$^{-1}$$の酸素リアクションガス流量でMS/MSモードにより測定したところ、50mg-Sr L$$^{-1}$$までは、m/z=90における$$^{88}$$Srのテーリングは見られなかった。m/z=90の干渉となるGe, Se及びZrは、化学分離により除去された。既知量の$$^{90}$$Srと1mgのGe, Se, Sr及びZrを含む合成尿(1.2-1.6L)を用いて分析法の妥当性を確認した。尿試料からのSrの分離及びICP-MS/MSによる$$^{90}$$Sr測定に要する時間は約10時間、検出限界値は尿試料あたり1Bqであった。

論文

Chemical trapping of Sr vapor species by Zircaloy cladding under a specific chemical condition

Mohamad, A.*; 中島 邦久; 鈴木 恵理子; 三輪 周平; 逢坂 正彦; 大石 佑治*; 牟田 浩明*; 黒崎 健*

Proceedings of International Topical Workshop on Fukushima Decommissioning Research (FDR 2019) (Internet), 4 Pages, 2019/05

福島原子力発電所事故では、炉心への海水注入により揮発性のSrCl$$_{2}$$が生成し、不揮発性グループに分類されていたSrが、燃料から放出され、ステンレス鋼やジルカロイ(Zry)のような原子炉構造材と化学反応を引き起こした可能性がある。そして、このような反応は、炉内のSr分布に変化をもたらすと考えられたため、SrとZryとの化学反応に関する実験を行った。その結果、燃料からの放出直後にSr蒸気が化学的にジルカロイ被覆管にトラップされ、デブリの酸化物相中に優先的に保持される可能性のあることが分かった。

論文

Removal of soluble strontium via incorporation into biogenic carbonate minerals by halophilic bacterium Bacillus sp. strain TK2d in a highly saline solution

堀池 巧*; 土津田 雄馬*; 中野 友里子*; 落合 朝須美*; 宇都宮 聡*; 大貫 敏彦; 山下 光雄*

Applied and Environmental Microbiology, 83(20), p.e00855-17_1 - e00855-17_11, 2017/10

 被引用回数:18 パーセンタイル:58.91(Biotechnology & Applied Microbiology)

福島第一原子力発電所事故により、放射性ストロンチウムの一部が海洋に漏出した。塩濃度が高い条件では一般的な吸着剤によるSrの除去効率が低いので、本研究では生物起源鉱物による塩水中からの水溶性Srの除去を検討した。海底堆積物から単離したバチルス属細菌のTK2k株は、塩水中のSrの99%以上を除去した。Srはまず細胞表面に吸着し、その後細胞外に形成した炭酸塩鉱物に取り込まれることを明らかにした。

論文

多段濃縮分離機構を備えるICP-MSによる放射性ストロンチウム分析

高貝 慶隆*; 古川 真*; 亀尾 裕; 松枝 誠; 鈴木 勝彦*

分析化学, 66(4), p.223 - 231, 2017/04

 被引用回数:5 パーセンタイル:18.97(Chemistry, Analytical)

2つ以上の異なる原理による濃縮法や分離法を結合したカスケード濃縮分離法は、分析機器の感度と分析性能を飛躍的に向上させることができる。本論文では、東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故を発端として開発されたカスケード濃縮分離法を内蔵したICP-MSによる放射性ストロンチウム($$^{90}$$Sr)分析法について論じた。併せて、本分析法の特徴である混合ガス効果、内標準補正シグナル積算法、スプリットラインを利用する定量と回収率の同時測定法などについて総説した。これらを統合して使用する本分析法の$$^{90}$$Srに対する検出下限値は、20分程度の測定で0.056ppq(0.28Bq/L)が達成可能である。また繰り返し分析精度(n=10)は、10ppq(50Bq/L)に対して相対標準偏差2.9%が得られる。

論文

環境試料中ストロンチウム-90分析用自動化システムの性能試験

藤田 博喜; 野島 健大; 永岡 美佳; 大澤 崇人; 横山 裕也; 小野 洋伸*

KEK Proceedings 2016-8, p.168 - 172, 2016/10

平成25年1月から平成27年3月までの期間において、復興促進プログラム(マッチング促進)として、「環境試料中ストロンチウム-90($$^{90}$$Sr)分析用自動化システムの開発」に取り組んだ。灰試料(農畜産物及び海水産物)を対象としてストロンチウムを単離するまでの工程を自動化することはできたが、実際の試料中$$^{90}$$Sr濃度測定を行うことができていなかったため、本システムによる分析を実施し、作業者による分析・測定結果と比較することにした。また、システムを改良し、各分析工程における装置の性能を向上させることができたので、その内容についても報告する。

論文

Radiation-damage resistance in phyllosilicate minerals from first principles and implications for radiocesium and strontium retention in soils

Sassi, M.*; Rosso, K. M.*; 奥村 雅彦; 町田 昌彦

Clays and Clay Minerals, 64(2), p.108 - 114, 2016/04

 被引用回数:6 パーセンタイル:21(Chemistry, Physical)

東京電力福島第一原子力発電所事故によって環境中に放出された放射性セシウムと放射性ストロンチウムは表層土壌中粘土鉱物に強く吸着していることがわかっている。住民に対する追加被曝線量低減のため、大規模な除染が行われ、表層土壌が取り除かれ、中間貯蔵施設に長期保存される予定である。しかし、長期保管中の放射性セシウムと放射性ストロンチウムの安定性についてはこれまで議論されてこなかった。そこで、本論文では、粘土鉱物中で放射性セシウムと放射性ストロンチウムが崩壊した場合の粘土鉱物の構造安定性を第一原理分子動力学を用いて評価した。その結果、それらの放射性核種の崩壊によって粘土鉱物の構造が変化してしまう可能性があることがわかった。

論文

環境試料中ストロンチウム-90分析用自動化システムの開発

野島 健大; 藤田 博喜; 永岡 美佳; 大澤 崇人; 横山 裕也; 小野 洋伸*

KEK Proceedings 2015-4, p.111 - 115, 2015/11

$$^{90}$$Sr分析を放射性ストロンチウム分析法(文部科学省、放射能測定法シリーズ2)に従って、環境レベルの$$^{90}$$Sr濃度を自動で分析するシステムを開発したので、その成果を報告する。本研究では、この分析における湿式灰化、化学分離、イオン交換に係るそれぞれの工程を、ロボットや自動加熱装置等を組み合わせて、自作の制御プログラムにより、自動で分析できるようになった。

論文

Determination of low-level radiostrontium, with emphasis on ${it in situ}$ pre-concentration of Sr from large volume of freshwater sample using Powdex resin

富田 純平; 山本 政儀*; 野崎 天生; 谷村 嘉彦*; 大石 哲也

Journal of Environmental Radioactivity, 146, p.88 - 93, 2015/08

 被引用回数:12 パーセンタイル:35.16(Environmental Sciences)

An improved analytical method was developed for determining of low levels of radiostrontium in environmental freshwater samples. Emphasis was placed to the in situ pre-concentration of radiostrontium with Powdex resin in large volumes (100-300 L) of freshwater samples from many locations without using of deleterious substances such as NaOH and mineral acids. Measuring electric conductivity (EC) of water samples enabled the estimation of the amount of Powdex resin required for quantitative recovery of Sr from the large water samples in the field. The Powdex resin that adsorbed Sr was brought back to the laboratory, and Sr adsorbed in the resin was eluted by 8 M HNO$$_{3}$$ together with Sr carrier added. Strontium was radiochemically separated by the cation exchange method for $$beta$$ counting after removal of most of the Ca using Ca(OH)$$_{2}$$ precipitation. Through the procedure the Sr chemical yield was 88% on average. This analytical method was verified by analyzing 170 L of water samples with different salinity values, to which a known amount of $$^{90}$$Sr was added. The detection limits of $$^{90}$$Sr activities obtained using the 170 L water samples was estimated to be approximately 0.1 mBq L$$^{-1}$$ for a counting time of 100 min. The method was also applied to environmental samples collected from Ibaraki and Fukushima prefectures; their $$^{90}$$Sr activities ranged from 0.16 to 0.93 mBq L$$^{-1}$$.

論文

Anthropogenic radionuclides in sediment in the Japan Sea; Distribution and transport processes of particulate radionuclides

乙坂 重嘉; 天野 光; 伊藤 集通; 川村 英之; 小林 卓也; 鈴木 崇史; 外川 織彦; Chaykovskaya, E. L.*; Lishavskaya, T. S.*; Novichkov, V. P.*; et al.

Journal of Environmental Radioactivity, 91(3), p.128 - 145, 2006/00

 被引用回数:20 パーセンタイル:42.21(Environmental Sciences)

1998年から2002年にかけて、日本海の22観測点で観測した堆積物中の放射性核種($$^{90}$$Sr, $$^{137}$$Cs及び$$^{239+240}$$Pu)の存在量と存在比から、同海域における粒子状放射性核種の輸送と蓄積過程を明らかにした。日本海における堆積物中の$$^{90}$$Sr, $$^{137}$$Cs及び$$^{239+240}$$Puの存在量は、それぞれ0.6-87Bq/m$$^{2}$$, 5.9-379Bq/m$$^{2}$$及び0.6-78Bq/m$$^{2}$$の範囲であった。日本海盆及び大和海盆では、深海(水深2km以深)部における堆積物中の放射性核種存在量は同程度であったが、堆積物中の平均$$^{239+240}$$Pu/$$^{137}$$Cs比は大和海盆に比べて日本海盆で大きかった。特に西部日本海盆で見られた大きな$$^{239+240}$$Pu/$$^{137}$$Cs比は、この海域表層へのPu/Cs比の大きな粒子の生成と深海への急速な粒子沈降がもたらした結果であると結論付けられた。対馬海盆及び大和海盆縁辺部では、堆積物中の放射性核種の存在量及び$$^{239+240}$$Pu/$$^{137}$$Cs比が大きかった。対馬暖流による粒子状放射性核種の水平輸送が南部及び東部日本海における堆積物への大きな放射性核種の蓄積をもたらしたと考えられた。

論文

High-temperature XAFS study of solid and molten SrCl$$_2$$

岡本 芳浩; 矢板 毅; 湊 和生

Journal of Non-Crystalline Solids, 333(2), p.182 - 186, 2004/02

 被引用回数:11 パーセンタイル:68.51(Materials Science, Ceramics)

塩化ストロンチウムの高温固体及び融体の放射光XAFS測定を行い、その局所構造の変化を調べた。融点より低い温度で超イオン伝導状態の測定を行い、1000$$^{circ}$$Cで融体の測定を実施した。融体のXAFSデータのカーブフィッティング解析の結果、最近接のSr$$^{2+}$$-Cl$$^-$$距離及び配位数は、2.99$AA $及び6.6であることがわかった。分子動力学計算からXAFS関数を計算し、実験データと比較を試みた。

論文

日本海における人工放射性核種の移行挙動に関する調査研究,2

乙坂 重嘉; 伊藤 集通; 川村 英之; 小林 卓也; 鈴木 崇史; 外川 織彦

第45回環境放射能調査研究成果論文抄録集,平成14年度, p.77 - 78, 2003/12

科学技術庁/文部科学省による受託研究と、ISTCパートナープロジェクトによって、日本海の22観測点で採取された海底土試料中の人工放射性核種(セシウム-137,ストロンチウム-90及びプルトニウム-239, 240)濃度について報告する。西部日本海盆では、全ての観測点で有意な放射能濃度が観測され、その水平的な変動は他の海域に比べて小さかった。旧ソ連及びロシアによる放射性核種の投棄海域(日本海盆の西側)とその他の海域との間には、有意な放射性核種濃度の差は見られなかった。大和海盆の一部の観測点では有意な放射能は検出されなかったが、その一方で南東部の2測点で局所的に大きな濃度が観測された。堆積物中の放射性核種濃度と観測点の水深の間に有意な相関関係は見られなかった。日本海における堆積物中の放射性核種濃度の分布は、放射性物質の投棄などの人為的な事象に起因するものではなく、それぞれの海域が持つ地理的特徴を反映したものであると考えられる。日本海における放射性核種の移行過程をより詳細に理解するために、沈降粒子による溶存成分の除去と鉛直輸送,海水流動,陸起源粒子の供給過程等といった物質循環過程を総合的に評価する必要がある。

論文

Anthropogenic radionuclides in sediment in the Japan Sea

乙坂 重嘉; 荒巻 能史*; 鈴木 崇史; 小林 卓也; 伊藤 集通; 外川 織彦; Chaykovskaya, E. L.*; Dunaev, A. L.*; Karasev, E. V.*; Novichkov, V. P.*; et al.

Proceedings of International Symposium on Radioecology and Environmental Dosimetry, p.390 - 395, 2003/10

1998年から2002年の間に、国際科学技術センター(ISTC)とのパートナープロジェクト及び、文部科学省からの受託研究のもとで、海底堆積物の採取と堆積物中の放射性核種の分析が行われた。本研究では、日本海の22測点における人為起源放射性核種(Cs-137, Sr-90及びPu-239+240)の分析結果を報告し、その分布と蓄積過程について議論する。日本海盆と大和海盆におけるCs-137の平均濃度は、それぞれ、1.0$$pm$$0.3, 1.0$$pm$$1.8Bq/kgであった。両海盆間で、堆積物中の放射性核種濃度に有意な差はなかったが、放射性核種濃度の分布には異なる特徴が見られた。日本海盆では、放射性核種濃度の水平分布の変動は小さかった。その一方で、大和海盆では、一部の測点で局所的に高い比放射能が観測された以外は、ほとんどの測点で有意な放射能は検出されなかった。日本海の堆積物中で最も高い放射能濃度は、大和海盆の南東縁辺で観測され、その濃度は、Cs-137が6.5$$pm$$0.6Bq/kg、Sr-90が1.4$$pm$$0.2Bq/kg、Pu-239+240が1.6$$pm$$0.1Bq/kgであった。日本海盆と大和海盆では、それぞれ特有の人為起源放射性核種の蓄積メカニズムが働いていたことが示唆された。

論文

Applicability of sorption data determined by laboratory experiments for evaluation of strontium-85 mobility in subsurface field

田中 忠夫; 向井 雅之; Li, Z.*; Li, S.*

JAERI-Conf 2003-010, p.142 - 149, 2003/09

Sr-85の環境中移行試験を中国輻射防護研究院の野外試験場における不飽和黄土層中で実施し、Srの移行挙動を2年間にわたって観測した。また、移行評価用収着データを取得するための室内実験として、野外試験場から採取した黄土を用いて、カラムシステムによるSrの移行実験及びバッチシステムによる収着実験を実施した。室内実験から取得した収着データが野外試験場におけるSrの移行を評価するために適用か否かを検討した。野外試験場におけるSrの移行挙動は室内実験から取得した分配係数と平衡収着モデルで評価できた。したがって、環境中におけるSrの移行評価のための分配係数は、室内実験から選定可能であることがわかった。

論文

Migration behavior of stable and radioactive strontium in natural aquifer

田中 忠夫; 向井 雅之; 前田 敏克; 宗像 雅広; 松本 潤子; 小川 弘道; 馬場 恒孝*; Wang, Z.*; Yang, Y.*; Zhao, Y.*

Proceedings of International Symposium on Radioecology and Environmental Dosimetry, p.179 - 184, 2003/00

実際の帯水層における安定同位体Sr及び放射性同位体$$^{90}$$Srの移行挙動を比較し、安定同位体を利用した野外核種移行試験の成立性について検討した。同位体移行試験は中国輻射防護研究院の野外試験場の地下30mに位置する帯水層中において実施した。安定同位体を用いる試験では検出感度の問題から高濃度領域で試験を行う必要があるが、そのような場合は放射性同位体を用いるトレーサ量領域とは生起する反応が必ずしも同一ではない可能性がある。実際に、環境中Srより高い濃度条件で実施する安定同位体Srの移行は$$^{90}$$Srの移行より大きかった。この違いは、元素濃度や共存イオン濃度等に起因し、それらを考慮した分配係数を用いることにより吸着現象を定量的に解釈できることを明らかにした。我が国では、安定同位体元素を用いた野外試験や大型カラム試験によって環境中における放射性核種の移行挙動を立証している場合があるが、これらの試験結果は核種移行の予測の信頼性を検証する手法として有効であることを支持するものである。

報告書

循環型透過拡散試験システムの製作と透過拡散試験方法の改良

鈴木 覚; 佐藤 治夫

JNC TN8410 2001-028, 36 Pages, 2002/03

JNC-TN8410-2001-028.pdf:1.81MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分における多重バリアシステムの性能評価を目的として、ベントナイトの透過拡散試験により様々な核種の実効拡散係数が取得されている。最近、従来から機構内で行われている方法(非循環型透過拡散試験システム)で、陽イオン(セシウムとストロンチウム)の透過拡散試験を行ったところ、既存の研究結果と全く異なる結果が得られることがわかった。この原因として、透過拡散試験システムの違いが考えられるため、新たに循環型透過拡散試験システムを製作し、拡散試験結果と試験方法の関係について検討した。従来の非循環型と循環型透過拡散試験システムの両者でベントナイトの拡散試験を行ったところ、ストロンチウムの実効拡散係数と塩濃度の関係および拡散係数の絶対値が、試験システムにより全く異なることが明らかになった。現状では、境界条件をより精密に制御できるという点から、循環型透過拡散試験システムの方が正しい結果を与えていると考えられる。また、循環型透過拡散試験システムにおいては、拡散セルと貯留容器が分離しているという利点を生かして、境界条件の制御方法の改良と、温度制御下での拡散係数の取得方法を提案した。

報告書

セメント系材料に対する核種の収着データベースの整備

加藤 大生*; 嶺 達也*; 三原 守弘; 大井 貴夫; 本田 明

JNC TN8400 2001-029, 63 Pages, 2002/01

JNC-TN8400-2001-029.pdf:1.81MB

TRU廃棄物の処分システムにはセメント系材料の使用が考えられている。セメント系材料には収着により核種の移行を遅延させる機能が期待されている。このため、TRU廃棄物の処分システムの評価においては、セメント系材料に対する核種の分配係数Kd が重要なパラメータとなる。セメント系材料に対する核種の収着に関する研究は、国内外で数多く報告されている。したがって、既存の知見を整理し、核種の分配係数を把握しておく必要がある。本報告では、性能評価上重要となるC, Cl, Ni, Se, Sr, Zr, Nb, Mo, Tc, Sn, I, Cs, Sm, Pb, Ra, Ac, Th, Pa, U,Np, Pu, Am, Cm 等の元素を対象として、セメント系材料に対する分配係数を文献及び内部実験結果から抽出・整理し、収着データベース(SDB)としてまとめた。SDB 整備の過程で、Se, Tc, Pa, U, Pu, Np 等といった実験雰囲気や酸化還元電位により化学形態が変化すると考えられる元素について、実験雰囲気が制御された条件で得られた分配係数はいくらかあるももの、酸化還元電位が制御された条件で得られた分配係数はほとんどないことを把握した。また、Se, Mo, Sm, Cm, Ac の分配係数がこれまで測定されていないことが分かった。これらの元素のうち、Se及びMo について、OPC(普通ポルトランドセメント)に対する分配係数をバッチ収着実験により取得し、SDB に反映した。

報告書

人工バリア中の核種移行挙動に関する研究(II)

大橋 弘士*; 佐藤 正知*; 小崎 完*

JNC TJ8400 2000-018, 79 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-018.pdf:2.09MB

地層処分の安全評価のための基礎的研究として、粘土緩衝材中の核種の拡散挙動およびオーバーパックの腐食に関連した研究を行った。緩衝材中の核種の移行挙動に関する研究では、ベントナイトの主たる構成鉱物であるモンモリロナイトに対して、水で飽和した状態の圧密試料の底面間隔ならびに含水率を求めた。また、Na+、Sr2+、Cs+、Cl-イオンの見かけの拡散係数およびそれらの活性化エネルギーを異なった乾燥密度において決定した。得られた活性化エネルギーは乾燥密度の増加とともに増加する傾向を示した。これは、圧密モンモリロナイト試料中のイオンの拡散機構が乾燥密度の増加にともなって変化していることを示唆している。ここでは、これらの活性化エネルギーの変化を合理的に説明するために、支配的な拡散プロセスが乾燥密度の増加によって細孔拡散から表面拡散へ、さらに表面拡散から層間拡散へと移り変わるとした複合的な拡散モデルを提案した。Na型モンモリロナイトは、粘土緩衝材に地下水やセメント構造材などからもたらされたCa2+イオンとイオン交換することによって変質することが考えられる。この変質がイオンの拡散挙動に及ぼす影響を評価することによって変質することが考えられる。この変質がイオンの拡散挙動に及ぼす影響を評価するため、Na/Ca混在型モンモリロナイト中でのNa+およびCs+イオンの見かけの拡散係数とそれらの活性化エネルギーを調べた。その結果、Ca型化によるベントナイトの変質は、Na+およびCs+イオンの見かけの拡散係数ならびに拡散の活性化エネルギーに影響を及ぼすことが明らかとなった。こうした影響は、細孔拡散のみでは説明できず、複合拡散モデルによってもっとも合理的に説明されることが示唆された。ベントナイト中でのオーバーパックの腐食挙動を理解するため、ベントナイト中に存在する黄鉄鉱の乾燥中の酸化挙動を調べた。ベントナイトの乾燥に伴って、ベントナイト中の黄鉄鉱量の減少、ベントナイト懸濁液のpHの低下ならびに硫酸イオン濃度の増加が認められた。これは、乾燥中において黄鉄鉱の酸化が徐々に進行することを示している。一方、ベントナイトの乾燥時間の増加に伴い、ベントナイト中の鉄の平均腐食速度ならびに腐食生成物の見かけの拡散係数が増加することが明らかになった。これらは、黄鉄鉱の酸化に伴うpHの低下に起因していると考えられる。

報告書

日本における環境要素間のアクチニド元素の移行挙動に関する研究(2)

工藤 章*; 藤川 陽子*

JNC TJ8400 2000-010, 67 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-010.pdf:2.17MB

本書では、前半部分において「長崎原爆プルトニウムの放出と環境中の移動性」について、後半部分において「わが国のファーフィールドにおける放射性核種移行研究の到達点」についての研究成果を報告する。長崎県長崎市西山地区で450cmの深さまでの不飽和帯土のコアを採取し、90Sr、137Cs、239+240Puの鉛直分布を決定した。その結果、大部分の放射性核種は、地表から30cmの層に見出された。しかしながら、90Srと239+240Puは、200cm以深の地下水からも発見された。137Csは、地表面から40cm位深、あるいは地下水中には見出せなかった。これらのことから、全239+240Puの3%は、土壌表層に留まる残り97%のプルトニウムよりも速く、土壌中を移行していることを示している。また、1945年の長崎フォールアウトを示す137Csと239+240Puのシャープなピークが、西山貯水池の堆積物コアから見つかった。一方、90Srはその堆積物中を移動するため、1945年に堆積した層にはピークを見出すことが出来なかった。さらに、239+240Puは1945年よりも古い年代の層でも見つかった。一方、年輪中の239+240Puは、堆積物コアとほぼ同様の分布をしていたが、極めて微量の239+240Pu(1%程度)は1945年の年輪よりも内側から発見された。これら事象より環境中の移動性239+240Puの存在を推定した。報告書の後半部分においては、「地層処分研究開発第2次とりまとめ」および現状の放射能移行評価研究について、特に天然バリア(例えば、ファーフィールド)および地表生態圏を対象とした放射能移行モデルを中心にレビューを行い、今後の地層処分の環境安全評価に関連して進めるべき環境関連研究の方向について検討した。その中では、Genericな安全評価研究からサイト特異的な安全評価研究への移行を中心に、説明的モデル、スクリーニングモデル、予測モデルといった目的別モデルの適用手順、モデル予測と安全評価にまつわる不確実性への対処手順、そして安全評価の予測に対する信頼性向上の手順としてわが国の野外条件下で取得された物質移行データによるモデル検証の必要性について議論を行った。

報告書

群分離法の開発: バインダで造粒したチタン酸へのSrの吸着挙動

溝口 研一*; 山口 五十夫; 森田 泰治; 山岸 功; 藤原 武; 久保田 益充

JAERI-Research 98-026, 29 Pages, 1998/05

JAERI-Research-98-026.pdf:1.45MB

現在開発中である4群群分離プロセスのSr-Cs群分離工程では、Srをチタン酸で、Csをゼオライトで分離する。Srの分離について、粒形保持強度を上げるためにバインダで造粒したチタン酸を作製し、バインダによるSrの吸着挙動への影響を調べた。その結果、バインダで造粒することによってSrの分配係数(Kd)は小さくなり、吸着平衡に達するまでの時間も非常に長くなることが明らかになった。しかし、バインダで造粒したチタン酸を水洗により充分コンディショニングすることで、(1)Kdが100ml/gになるのに必要な時間が約半分となり、(2)攪拌開始から24時間後にはバインダで造粒していないチタン酸とほぼ同じKd値になり、(3)カラム試験における見かけの交換容量は約1meq/g以上となった。

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